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将棋備忘録
将棋の観戦、自戦記などの雑記。

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5月2日(日)【書評】消えた戦法の謎

消えた戦法の謎―あの流行形はどこに!? (MYCOM将棋文庫)消えた戦法の謎―あの流行形はどこに!? (MYCOM将棋文庫)
(2003/05)
勝又 清和

商品詳細を見る



最新戦法の謎」で一躍有名になった勝又教授の初の著書。

将棋関係のネットで絶賛されていたので、いつか読みたいと思っていました。
しかし、この本を知った時点では絶版。
Amazonでは中古でしか取り扱っていません。
そんな折、週刊将棋で万能書店というサイトを知りました。
こちらのサイトでは絶版された本をデータで保管しており、注文を受けたら
データをもとに、製本してお届けしてくれるというサービスのようです。
こちらで消えた戦法の謎を取り扱っていると知り、
送料込みで2499円だったので、購入決定。
万能書店・書籍詳細「消えた戦法の謎」

1週間で届きました。
当然ですが、非常に綺麗です。

IMG_1809.jpgIMG_1812.jpg

Amazonなどの中古物は状態がどうなっているか気にしなければいけませんが、
こちらはその点は全くありません。
あまり数は多くありませんが、「消えた戦法の謎」以外も
将棋の本を取り扱っているので、
一度サイトを覗いてみてはいかがでしょうか。

あと絶版物を扱うというのでは、こちらの方が有名でしょうか。
復刊ドットコム
こっちは利用したことがありませんが、将棋の本は多く扱われているようです。


さて、前置きが長くなりましたが、書評にいってみましょう。
目次は以下。


目次
第1章 矢倉編
第2章 振り飛車編
第3章 角換わり編
第4章 相掛かり編
第5章 消えた戦法その後



いつも通り、章ごとに感想を述べていきます。

・1章 矢倉編
 前半は先手スズメ刺しから始まる矢倉の変遷。
 先手スズメ刺し
 →有力な対策に棒銀登場
 →相手が棒銀で来たら▲2九飛戦法にスイッチ
 →▲2九飛戦法できたら後手は待つ
 →▲2九飛戦法は攻撃力無いので、先手不満。
 →▲2九飛戦法が廃れる
 →▲2九飛戦法から「相手の手を見て自分の手を決める思想」を受け継ぎ
  森下システム登場
 →有力な対策に後手スズメ刺しが登場

 先手スズメ刺し~後手スズメ刺しで帰結する流れが面白すぎる。
 
 後半は後手矢倉急戦。
 ・米長流急戦・中原流急戦・6二飛戦法・矢倉中飛車の4つの解説。
 中原流急戦・6二飛戦法は知らなかった。
 これらは全て「変わりゆく現代将棋」で解説されているので、
 事前に概要を知れたのは良かったです。

・2章 振り飛車編
 ゴキゲン中飛車が後手5二飛戦法とついているのは時代を感じる。
(当時はまだ近藤さんはデビュー前)
 この項は各戦法はあまりリンクしていないので、矢倉に比べて
 流れは掴みづらい。
 ただ、各戦法「居飛車穴熊」の影響があるのは現代と共通で、
 理解はしやすいと思う。
 個人的にはツノ銀中飛車の急戦の変化が面白かった。
 加藤一二三先生の中飛車に対して5五歩!の仕掛けは素晴らしいので
 一見の価値あり。

・3章 角換わり編
 先手角換わり棒銀・先手早繰り銀・筋違い角の解説
 どれも現在のプロ将棋では見られない将棋ばかり。
 棒銀と早繰り銀は一手損角換わりで似た形は見られるが、
 変化はかなり違っていて、一手でここまで変わるのかと
 びっくりさせられる。
 この辺の違いをまとめたら1冊の本にできそうだ。
 読んでみたいけど需要は無いかなあ。

 筋違い角がプロでそこそこ指されていたのは意外。
「イメージと読みの将棋観」ではトップ棋士たちからかなり
 酷評されていたので。
 時代の流れを感じますね。

・4章 相掛かり編
相掛かり編とあるが、横歩取り(4五角・2三歩)も取り上げられている。
個人的にこの2つの戦法は興味が無いので、流し読みです(ゴメンナサイ)
中原・谷川・羽生の名前がかなり目立つのが印象に残る。
これらの戦法には時代を作る人にとって惹かれる要素が
きっとあるんでしょうね。

・5章
こちらは文庫版刊行の際に追加された章。
森下システムの復活、ゴキゲン中飛車の登場などが書かれている。

総評
 私が将棋を始める以前の話ばかりだったので、非常に新鮮に読めた。
 各章の感想では触れなかったが、「最新戦法の謎」と同様、
 棋士へのインタビューはもちろん行われていて非常に面白い。
 不満点をあげるとしたら、図面と文字数のバランスが良くなく
 読みづらいページがあったこと。
 これは文庫版だからということもあるかもしれない。

 著者の後書きにあるように、勝つための役に立つ本ではない。
 しかし、現在の戦法を作ってきた流れを知る上での
 貴重な資料であることは間違いない。
 ぜひ読んで欲しい一冊です。


お勧め度:★★★★☆
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3月27日(土)【書評】高崎一生の最強向かい飛車

マイコミ将棋BOOKS 高崎一生の最強向かい飛車マイコミ将棋BOOKS 高崎一生の最強向かい飛車
(2010/03/16)
高崎 一生

商品詳細を見る


今期C級1組昇級の、若手有望株、高崎五段の初の定跡書。
初手から
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩
▲7七角 △5四歩 ▲8八飛
を基本図とした先手向かい飛車本である。

2010-03-27a.jpg

3章構成で平易な定跡書の形式。以下章ごとに感想を。

1章は急戦編。
基本図からの居飛車の1手に対して、▲8六歩からの逆襲の解説。
序盤早々の飛車先逆襲は向かい飛車以外にはないので、
知らない変化が多く、参考になる手筋が多い。
アマチュアの実戦で一番出てきそうなのは下図の引き角志向のときだろう。
2010-03-27b.jpg
ここからの急戦は結論を言うと、先手良くならない。
しかし、居飛車党の引き角愛好者は知っておいて損はないだろう。

2章は持久戦編。
▲8六歩と急戦に行かないときの変化。なので、対棒銀なども載っている。
かなり幅広い変化を扱っているが、解説が丁寧なので、わかりやすい。
面白いと思ったのは、下図の5八金左を保留して4八飛型に構える変化。
2010-03-27c.jpg
他の角道を止めない振り飛車で応用できそうなので、
機会があれば試してみたい。

3章は自戦記3局。
あまり個性を感じない平易な文章。
将棋の方は、定跡書に書かれた筋が載っているので、
戦い方の参考になるかと思う。


総論:先手向かい飛車というニッチな題材のため、定跡編は目新しい変化が多く、
   勉強になった。
   しかし、アマチュアの実戦で基本図になることは相当まれと思われる
   (そもそも▲7六歩△8四歩が少ない。) ので、自分の実戦で
   活用しようと思って買うのは禁物だ。
   実戦で活用するなら、角道を止めない振り飛車党、
   それを受ける居飛車党が、違う戦型で本書の筋を応用するのが現実的か。
   
   興味のある人は、一度手にとって中身を見てから、
   買うか検討するのが賢明だと思う。

お勧め度:★★★☆☆

2月22日(日)強くなりたい有段者におすすめの将棋本10冊

前回に引き続き、今回は有段者編。

縛りは前回と同じ
・絶版は含まない
 (手にいれるのに手間がかかるものをオススメするのはどうかと思うので)
・シリーズものは1冊に数える

こちらは絶版に悩まされる本は少なかったなあ。



総合書
「これが最前線だ!シリーズ」(最前線物語、最前線物語2) 深浦康市
「最新戦法の話」 勝又清和
「イメージと読みの将棋観」 鈴木宏彦
「現代に生きる大山振り飛車」 鈴木宏彦、藤井猛

終盤
「羽生善治の終盤術シリーズ」(1,2,3) 羽生善治
「寄せが見える本【基礎編】」 森けい二

戦法書
「四間飛車の急所シリーズ」(1,2,3,4) 藤井猛
「相振り飛車を指しこなす本シリーズ」(1,2,3,4) 藤井猛
「とっておきの相穴熊」 広瀬章人、遠藤正樹
「矢倉の急所シリーズ」(1、2) 森内俊之




個人的には
「これが最前線だ!」、「四間飛車の急所1」、「現代に生きる大山振り飛車」
の3つが思い出深い。

「これが最前線だ!」は級位者の頃に買ってしまって、難しくて全くわからないのを
一生懸命読んでいた。
有段者になってから読み直したときに、一手一手の背景が多少わかるようになって、
ものすごくためになった。
10年前の本だが、今でも振り飛車穴熊対策なんかは通用するし、角換わり棒銀、
矢倉中飛車といったマイナーな戦法がプロレベルで解説されているものは少ないので、
稀少価値の高い本だと思う。

「四間飛車の急所1」もコストパフォーマンスがすごい。
急戦からミレニアムまで、過去メジャーになった作戦は全て網羅されている。
特に右四間飛車の項は絶対に読んでおくべき。
私はこの本に書かれている手順にして以降は、苦手だった右四間に対して
高勝率を維持できている。

「現代に生きる大山振り飛車」は将棋世界の講座をまとめたもの。
大山振り飛車とともに巡る振り飛車の歴史の旅ももちろん面白いのだが、
最後に収録されている棋譜10局が私は好きだ。
とにかく大山将棋は筋が良い。ものすごく筋が悪かった私は
大山将棋を通じて、ずいぶん筋が矯正されたと思う。
振り飛車党なら一度は必ず大山先生の棋譜を並べて欲しい。

なんだか途中からあつくなって、解説が長くなってしまいましたが(笑)
どれもおすすめなんで、参考になれば、幸いです。

(余談)絶版しているものを選べるなら「島ノート」は入れたかったなあ。
    「鳥刺し」とか最近将棋を始めた人は知らなかったりしそう。

2月21日(日)強くなりたい級位者が本当に読むべき将棋本10冊

元ネタはこちら→強くなりたい新大学生が本当に読むべき100冊

自分が級位者の頃に読んで、勉強になった本や、
有段者になってから読んでおけば良かったと思う本をあげてみる。
また、縛りとして
・絶版は含まない
 (手にいれるのに手間がかかるものをオススメするのはどうかと思うので)
・シリーズものは1冊に数える
とします。



総合書
「上達するヒント」 羽生善治
「将棋新理論」 谷川浩司
「将棋に強くなる本―好敵手には読ませたくない」 柿沼 昭治

終盤
「3手詰めハンドブック」浦野真彦
「5手詰めハンドブック」浦野真彦
「寄せが見える本【基礎編】」森けい二

手筋
「手筋の達人」武者野勝己

戦法書
「初段に勝つ矢倉戦法」森下卓
「ホントに勝てる~シリーズ」 (四間飛車、振り飛車、穴熊) 先崎学
「四間飛車を指しこなす本シリーズ」(1,2,3)  藤井猛



リンクは貼るの面倒なので、省略しましたが、
少なくともamazonで手に入ることは確認済みです。

大学の後輩達はちょうど春休みに入った頃なんで、
将棋の勉強に困ったときなんかに参考になれば幸いです。

(余談)絶版を含まないという縛りは意外にきつかった。
    「手筋の達人2」や「光速の寄せシリーズ」はいれたかったなあ。

12月19日(土)【書評】寄せが見える本【基礎編】

寄せが見える本 〈基礎編〉 (最強将棋レクチャーブックス (1))寄せが見える本 〈基礎編〉 (最強将棋レクチャーブックス (1))
(2004/04/21)
森 けい二

商品詳細を見る


5年前の本ではあるが、先日購入して、一気に読破した。
一読して、当時買っておけば良かったと後悔。
これはお勧めです。

「終盤の魔術師」こと森けい二九段の必至問題集。
(オンリー必至です!ご注意を)
【基礎編】ということで、対象は級位者~初段。
構成はレベル1~3の3章構成で、
各章の最初に予習問題が並べられ(約18問)、
その後1問ごとに詳しい解説が入り、
章の最後でまとめ的な練習問題(各8問)となっている。

解説は1問につき5~6ページ程とっていて、非常に丁寧。
加えて、ためになる終盤の考え方が随所に書かれている。
例えば
「必死をかけるには2つ以上の詰み筋を持つのがコツ」
「とりあえずの王手は慎むべき」
「正しい攻めを形で覚えてしまい、その形に近づけるように
 中終盤を戦う」
などなど、級位者には必須の考え方が満載。
自分は問題自体は8割方正解できたが、
意外にわかっていなかったなあと思うことが多く、
自分の基礎力を補完できて良かった。

最近はプロの流行している戦法書が多く出版されていますが、
アマチュアが実力を向上するには、こうした本に書かれていることの方が
大事だと思う。
四間飛車や中飛車は似たような本が多く出ているのだから、
終盤の本もどんどん出版して良いのではないだろうか?

お勧め度
★★★★★

プロフィール

ynug01

Author:ynug01

・社会人3年生    
・将棋倶楽部24   :三~四段
・アマ連レーティング:二段

・将棋倶楽部24HN  :ynug01

・指す戦法     
 振り飛車全般
 居飛車も勉強中

好きな棋士 :藤井九段
好きな駒  :歩

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